レポート報告 (業界新聞 3/25号)

2017.3.25;846号

2/15日(水)-17日(金)と東京・お台場ビックサイトにて開催されていた
「3Dプリンティング 2017」に行ってきました。
その感想を 取り急ぎ小出しで報告してみます。
 
日本では最大規模の展示会とあり3Dプリンタ関連企業は78社の出展。どこも最先端の技術を惜しみなくお披露目。
 
とりわけ私は、ジュエリー製作に3Dプリンタを利用しているため、どこまで進化しているのかを調べるのが目的。
 
ジュエリー業者の視察や工場関連の関係者も多く見られ時代を見据えた ” デジタルものづくり ” に シフトしている様がうかがい知れました。
 
ジュエリーでの3Dプリンタは、原型製作としての役割。その出来栄えに製品の美しさが左右されます。
 
従来の3Dプリンタは生成される過程にで積層(積み重なり)が100μ~25μ(100~25/1000mm)。この数値が大きければ、ジュエリーにおいてはシェイプ、仕上げに影響されます。
 
そんな中、ひときわ目を引いたのが、カメラ”ニコン”が代理店になっている「米; カーボン3D 社」の3Dプリンタ。
 
 
これは、光造形と呼ばれる方式で独自の開発を経て液体樹脂面において短時間に硬化させる新技術を採用とのこと。
見た目は、シルクのような肌で積層が目立たなく、美しく極小の物まで3Dプリントされていたのは驚きでした。
手に取り撫でたり、爪で引っかいたり、押してみたりと…。
個人的にはパーフェクトな3D-プリンタで ”これは欲しいっ”と思ったもの。しかし、年間保守料400万と聞いて同時にびっくりっ!
よほどの大きな工場や、採算の見合う企業での導入しか考えられないと感じかな。 
 
つづく…

レポートNo,2!

同時”ナノテク展” など最新のものづくりに関するあらゆる産業の試作から量産までの紹介ブースも所狭しと
溢れかえっていた今回の展示会
お目当の3Dプリンタ関連企業は78社。
価格帯や、出来栄えは多少の差はあるものの選ぶ側(導入社)にも多くの選択肢が増えたのは嬉しいことです。
それだけ「3Dプリンタ」が進化し続けていることをう感じさせます。

そんな中、自社でオリジナル製品、マリッジリング、また、リフォームに特化したビジネスモデルで使いこなせるなら、

(株)3D Printing Corporation;山梨 が代理店の

B9Creations社」のB9 Coreが使えそう。

 
スタイルの良さも抜群。店舗においても製造機械ながらおしゃれです。
 
大きめのリング一本(高さ約2センチ程)の3Dプリント時間は約1時間弱というのも売りとなっている(担当者談)
残念ながら初日1番に訪れたこともあり、実際の出来上がりは確認できませんでしたが、それを目当てに熱心に質問を繰り返している来場者も多くいましたね
B9Creations社」のB9シリーズで3Dプリントしたジュエリーも手に取り、見たことも有るので出来栄えに関してはお墨付き!
これまでの機種を改良した新モデルは、常識を覆す高精細さとスピードでしょうかっ!
こちらは、日本での販売価格200万円程との事。
ジュエリーの原型での”美しさ”と”造形スピード”を求めるなら 今はまだこれくらい必要かなっ。
株式会社3D Printing Corporation,
社長のアレキサンダーさん。彼の英語と私の日本語もうまくかみ合い!? 楽しいひと時でした。
つづく…
レポートNo,3!
これまでご紹介してきた2台の”3Dプリンタ”はどちらもハイスペックで高価なもの。
大手工場レベルの機種、自社レベルでもバリバリ使いこなせたり、他社からの受注も見込めるなら導入もありですね。
そうなると これくらいの”3Dプリンタ”は持っておかないと攻めのビジネスにはげ繋げないでしょう。

しかし、日進月歩するこの技術にそこまで資金をかけず3Dプリンタ導入を考えてる小規模のショップにも朗報が。

一通り会場を見ての個人感で申し訳ないですが、この1台は抑えておいた方がいいでしょう。

デジタルファクトリー(株);東京が代理店の「formlabs社」のForm2。

オリジナルデザインや、マリッジリングなどの形状確認や、納期短縮にも大きく貢献してくれる3Dプリンタ。
出来上がりの精密さもこの価格帯の上位モデルにも引けをとらず最高25μ(25/1000mm)までの細かさを再現してくれるモデルで価格は60万弱。
ジュエリー製造(鋳造)可能な素材でも3Dプリントができ、会場に展示されていたダイヤモンドフルエタニティ―(全周ダイヤモンドのデザインリング)枠も難なく仕上がっていました。
この素材が進化してくれば、顧客様へのコストダウン、納期短縮など一気にメリットが出てくるでしょう。
しかし、まだまだ課題も多く、ゴールドとシルバーは難なく加工できても
この新しい素材でのプラチナ製造は工場が受け入れてくれるかは、今後の実績を待つのみ。
(※プラチナ鋳造においては、ゴールド系の石膏とは温度管理や取り扱いが違い繊細な為) 

Form2体験の為フリーフォームで3D-CAD。

ペンタッチの操作は、まるでマウスが進化した感じ。

パソコン画面上の物体を突いたり、押したり、引っかいたりと感触もリアル!(70万程)

つづく…
レポートNo,4!
同時”ナノテク展” など最新のものづくりに関するあらゆる産業の試作から量産までの紹介ブースも所狭しと
溢れかえっていた今回の展示会
最後に紹介したいのが、台湾の企業がひときわアピールしていた自作キットの光造形の3Dプリンタ

「3D Dream Workshop」のCrystal(価格は12万円程)。

一見、未完成とも取れる外見は、余分な外観パーツを全て取り除いたもの。だけど、成果物は価格以上の良い出来栄えで
ジュエリーのデザインによっては、十分に導入も有りかなと思わせるものだ。
また主原料となる液体光硬化樹脂も社外品使用可能と汎用性もうれしい。
ほんの、2。3年ほど前の20万円ランクの3DプリンタといえばFDM(素材を溶かして積み上げ生成)方式。
ジュエリー原型には全くと言っていいほど使えるものではなく、まだまだお遊び!って感じでした。
それに、光造形といえば、私が外注に出していた400万クラスが原型として使えるくらい。
さすがに、それと同じレベルとは、言えませんが そこそこのデザインなら使える品質までに追着いてきました。
しかも、格段に安くなり。
個人レベルでこのクラスの3Dプリンタ導入なら、そんなにも敷居は高くないですね。
私が、会場を回って体験した3Dプリンタを4台をご紹介してきましたが 、出展企業78社!間近で見れない最新の機種もあったものもあり紹介しきれていないのはご容赦ください。
いずれにしても、今回の”3D printing 2017″において、新製品・新技術登場や広がる分野での3Dプリンタ活用において「進化」と言う言葉抜きには語れない未来を彷彿させるフェアーでした。
by デジタルジュエリー®

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